メガネのフィッティングを自分で行おうとする強者がいる。
自分の体のことだ、自分に合うように、自分でフィッティングするのが最適。
たしかにその通り。それが理想ではある。
しかし、である。
自分で行うのには、少し注意点がある。
一つ目は道具がないことだ。
フィッティングには、道具が必要だ。もちろん使わない場合もあるけれど。
メガネ用のペンチも必要だし、フレームを曲げやすくするための温める機械も必要になる。
ご家庭でも、これらを準備することは難しくないけれど、そう頻繁にフィッティングを行うわけでもないので、購入して揃えておくほどのものではない。また、温める機械なんて、一般の方からすればマニアックすぎる。
二つ目は、フレームは思っているよりも固く、微調整が難しい点だ。
フレームの素材は、チタンやセルロイド、アセテート(という素材)などが一般的だ。
これらは、思っている以上に固い。
チタンなど、なんとなくすぐ曲がりそうな気がするが、微調整をするにしては固く、勢いで「えい!」と力を入れてしまうと、あらぬ方向に曲がってしまい、思いのほか、微調整が難しいのだ。
セルロイドとアセテート(という素材)は、そもそも金属ではないので、さらに難しい。というか、チタンなどの金属に比べればフィッティングの「自在感」が小さい。
だから、ものすごく慎重に、慎重に、時間をかけて調整する必要があるのだ。
三つ目は、技術の問題だ。
一つ目の道具の話にしても、そもそも、道具を揃えたところで、それを使いこなせる技術がないと意味をなさない。
二つ目のフレームの固さについても、素材の固さ・柔らかさを言う前に、調整する能力がないと、そもそも難しい。
当然のことではあるのだが、フィッティングには技術が必要なのだ。
当社としては、メガネのフィッティングを自分で行うことを是としている。
一番の理由は、
「自分の意のままに、自分の思うタイミングでフィッティングができるから」
だ。
かくいう私も自分でフィッティングを行っている。
(私は当社のマネジメントであり技術者ではない。しかし長く携わっているうちに技術を習得した)
お勧めしたいのだが、さすがに初めは技術的に難しいのかもしれない。
だから、今の段階では当社のようなフィッティングの専門サービスを利用して、少しずつでもいいので、技術を磨いていってほしい。
技術を磨くと言っても、そう難しいことではない。自分の目に合うようにフィッティングができればいいのだから、自分の体(目)に聞きながら少しずつフィッティングにチャレンジしていってほしい。